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「エターナルチカマツ」近松門左衛門「心中天網島」より  [観劇記]

「エターナルチカマツ」 近松門左衛門「心中天網島」より 3/20 ソワレ

演出 デヴィッド・ルヴォー
出演 深津絵里、中村七之助
伊藤 歩 中島 歩 入野自由 矢崎 広 澤村國久 山岡弘征 朝山知彦 宮 菜穂子 森川由樹
中嶋しゅう 音尾琢真

ほんのちょっとの、15分だけの恋のはずだった。

やむにやまれぬ事情から売春婦として働くハル。かさむ加齢、借金・・・そんなハルは足繁く通う妻子
持ちのジロウと恋に落ちる。
しかしジロウの兄が現れ強引に離縁を迫り、金に汚い商売女と罵られ、ハルは別れることを受け入れた。
自暴自棄に街を歩いていたハルは、あるはずのない川に行き当たり、橋の上で遊女小春と出会う。

ここからが近松の世界と現在が交差しながら物語が進んでゆきます。
やむにやまれぬ事情から苦界に身を沈めた遊女小春。
ハルと小春、住む世界、身なりは違えども合わせ鏡に映し出された様な二人。
毎夜輪廻が繰り返され10万7882夜、小春は道ならぬ恋の相手治兵衛の手にかかり死んでいる。
ハルはなぜ女ばかりと不条理さを訴え、小春に治兵衛との心中を止めに入ります。そして・・・

と物語を書いてもなんのこっちゃ?と観てない方は思われると思います。

ハルを演じる深津絵里の歯切れの良い台詞、凛とした姿。
小春を演じた七之助は女形特有の色香、そして切なさ、歌舞伎時とは違うメイクがこれまた素敵。
ピアノの音、三味線の音。現代と近松の世界が美しく重なり合い交じりあっている空間に、心が心地よく
呑み込まれていきます。
七之助が一人加わるだけで、異空間が完成するというか、やっぱり凄い。

治兵衛に刺され死んでゆく小春というか七之助のえびぞりがまた美しい。(えびぞり好きなんです)

ラストシーンがまたずるい! 歌舞伎役者お得意の早変わり、遊女小春があっという間に、ハルの死んだ
旦那さんの姿となって登場します。
ずっとハルのことが心配で見守り続けていたと・・・
(でも誰か大金持ちと知り合わない限りハルは売春婦のままなのかなぁと思ったり)

深津ちゃんの出るお芝居って好きなんです。「春琴」も好きだったし~

余韻が抜けないまま、初のコクーン立見席を購入!3月26日も観に行ってしまいました。

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